エンジン車は、エンジンオイルやオートマオイル、ディファレンシャルオイル、ブレーキオイルなど、様々なオイルの交換が必要です。それでは、EV車(電気自動車)のオイル交換はどうでしょうか?モーターで走るEV車では、不要なオイル交換がいくつかあります。
EV車はオイル交換不要?
エンジンオイルは不要
EV車にはエンジン自体が無く、代わりにモーターで走る車なので、エンジンオイルは不要になります。
エンジン車のメンテナンスでは、エンジンオイルを交換する際に、「オイルエレメント(オイルフィルター)も一緒に交換しておきますか?」と整備士さんに聞かれることがあると思いますが、EV車ではこの交換も必要ありません。
また、EV車にはエンジン自体が無いので、これを冷やす冷却水も不要になります。
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オートマオイルは不要
オートマオイルは、オートマ車のギアチェンジの際に、トランスミッション(多段変速機)を潤滑に可動させるためのオイルです。
エンジン車では、2年または2万kmでオートマオイルを定期交換する必要がありますが、日本で流通しているEV車のほとんどが、トランスミッション自体を搭載していないので、オートマオイルの交換も不要になります。
ディファレンシャルオイルは必要または不要
ディファレンシャルとは、車がカーブを曲がる際に、タイヤの外輪と内輪の回転差を調整する装置で、この部分に使われているのがディファレンシャルオイルです。通称「デフオイル」と呼ばれることもあります。
ディファレンシャルオイルの交換の有無は、車の構造によって異なります。1つのモーターで四輪を駆動させる場合は、ディファレンシャルギアが必要なので、それに応じてディファレンシャルオイルも必要になります。
また、1つのタイヤを1つのモーターで動かす場合は、ディファレンシャルオイルは不要になります。
ブレーキオイルは必要
ブレーキシステムは、エンジン車でもEV車も基本的には同じなので、ブレーキオイルの定期交換は必要になります。
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EV車の維持費はどのくらいかかるの?
ガソリン車の燃料代金は、1ヶ月に1000km走行している場合1万3000円くらいかかります。車種にもよりますが、年間の燃料代が約15万6000円かかる計算になります。
それに加えて、ガソリン車は年に2回のエンジンオイル交換をするので、その費用が1万2000円くらいかかります。ですから、ガソリン車は、ガソリン代とオイル代を合わせると、年間約16万8000円かかる計算になります。
これと同様の走行距離でEV車を管理した場合、1ヶ月の電気代が2000円くらいで、エンジンオイル交換は不要になります。ですから、年間約2万4000円かかる計算になります。
比較すると、燃料費だけでもガソリン車よりEV車の方が、年間維持費が約14万4000円安いことになります。
EV車のようにエンジンが無い車は、自動車税が1000㏄と同じ金額なので比較的安く、EV車の自動車税は約3万円くらいになります。また、EV車はエンジン車のように細かい部品を使っていないので、点検項目が比較的少ないため、車検の費用も安くなる傾向があります。
ここまでの内容を読むと、ガソリン車よりもEV車の方が維持費が安くてお得なように思えるかもしれませんが、EV車にはバッテリー交換の費用が高いというデメリットがあります。
国産のEV車のバッテリーの交換頻度は、8年または走行距離16万kmが目安で、バッテリーの価格は車種によって異なりますが、60万円~80万円くらいかかります。
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