警告灯とは、自動車に何らかのトラブルが発生した場合、運転手に知らせるためのランプことを言います。
エンジン警告灯は、その名の通りエンジンに異常が起きたことを知らせるもので、これが点灯または点滅した場合は、早めに整備工場などで点検を行う必要があります。
ただし、一度点灯したエンジン警告灯がエンジン始動により消えた場合は、必ずしも故障が原因というわけではありません。
まずは、警告灯の基本的な仕組みについて確認していきましょう。
知っておきたい警告灯の基礎知識
まずは、これだけは事前に知っておきたい警告灯の基礎知識について紹介します。
エンジン警告灯が一時的に点灯しても、エンジン始動で消えた場合は、必ずしも故障が原因というわけではない。
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エンジンスイッチをONの位置にすると警告灯は点灯する
基本的に警告灯が消えた状態が正常なので、ランプのシステム不良や電球の球切れが原因で点灯しない場合はトラブルが発生していても気付きにくい。
このような状態を防ぐために、警告灯はエンジンのスイッチをONの位置にすると一斉に点灯する仕組みになっています。
この時にランプ自体のシステムに異常がないかを確認して、その後エンジンを始動すると問題のない警告灯は消えていきます。
エンジンを始動しても、そのまま警告灯が点灯もしくは点滅している場合は、整備工場などで点検をする必要があります。
警告灯の色の意味
警告灯の色は国際規格(ISO)で定められていて、その色のもつ意味は世界共通です。
赤色・・・危険
黄色・・・注意
緑色・・・安全
赤色・・・高温
青色・・・低温
表示された警告灯の色によって感覚的に認識できるように配色されています。
なかには例外もあって、ヘッドライトのハイビーム点灯は青色で表示することが決まりです。
エンジン警告灯は赤色または黄色のエンジンマークで、自動車メーカーによって色に違いはありますが、その意味は「危険」「高温」「注意」という内容になるので、エンジン警告灯が点灯もしくは点滅した場合は、重大なトラブルが車両に発生したと考えられます。
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車のエンジン警告灯が点灯・点滅する原因
エンジン警告灯が点灯または点滅した場合は、エンジンの制御系などに何らかのトラブルが発生していることを示しています。
この場合は、できるだけ走行は控えて、早急に整備工場などで点検を行う必要があります。
自動車のエンジン警告灯が点灯もしくは点滅する原因については、様々なことが考えられますが、ここでは代表的な原因についていくつか解説していきます。
スパークプラグの不具合
エンジンは燃料と空気が混ざり合った混合気を燃焼させて動力を得ています。
この燃焼させる時にタイミングよく点火している装置がスパークプラグ(点火プラグ)です。
スパークプラグに何らかのトラブルが発生した場合は、エンジン警告灯が点灯・点滅する原因になります。
スパークプラグに不具合が起きると、適切なタイミングで点火できないため、エンジン回転が不安定になります。
そのため、アイドリングが安定せずに車体がガタガタと振動するようになります。
さらに悪化すると、スパークプラグで点火することができなくなり、エンジンがかからなくなります。
スパークプラグは消耗品でもあるので、不具合があった場合は新しいものに交換することになります。
ヒューズ切れ
ヒューズとは、電気機器に必要以上の電気が流れ込まないように事前に電流を遮断する安全装置のことを言います。
車の部品に限らず、全ての電気機器は正常に作動するための電気の量が決まっています。
電気機器に大きな電気が流れ込むと故障していまうので、電源と電気機器の間にヒューズを挟んで、大きな電気が流れてくるとヒューズが身代わりに切れてくれるという仕組みです。
車のエンジンは電子制御されているので、これと繋がるヒューズが切れると、異常を知らせるためにエンジン警告灯が点灯または点滅します。
ヒューズ切れが起こった場合は、ただ新しいヒューズに交換するだけでは再びヒューズ切れが起きる可能性があるので、ヒューズ切れが起きた原因をしっかり解決する必要があります。
昔の車は、はっきりとした原因がなくても、ヒューズの寿命のようなもので、突然ヒューズが切れるということがありました。現在は、ヒューズの新しい種類が登場し、性能も向上したため、何の原因もなく急にヒューズが飛ぶことはほとんどありません…
センサー異常
自動車のエンジンに関係するセンサーは全部で10種類ほどあって、そのどれかに異常が起こるとエンジン警告灯が点灯・点滅する原因になります。
また、各センサーと関係のある部品に異常が起きた場合もエンジン警告灯が点灯します。
エンジンに関係するセンサーは次のようなものがあります。
・O2(オーツー)センサー
・AF(エアーフューエル)センサー
・ウォーターテンパラチャセンサー(水温センサー)
・エアフローメーター(吸入空気量センサー)
・吸気温度センサー(エアテンパラチャセンサー)
・ノックセンサー
・バキュームセンサー
・クランクポジションセンサー
・スロットルポジションセンサー
・カムポジションセンサー
O2(オーツー)センサーの故障
なかでもエンジン関連の故障診断において肝となるのが、O2(オーツー)センサーです。
O2(オーツー)センサーは、排気ガスに含まれる酸素濃度からエンジンの燃焼状態を判断するものです。
センサーによって測定された情報は、エンジンコントロールユニット(ECU)に送られ、その情報を元に燃焼噴射をコントロールしています。
エンジンコントロールユニットとは、エンジンの運転制御を補助するためのコンピューターのことです。
現在の自動車のエンジンシステムには、このエンジンコントロールユニットが欠かせないものになっています。
O2(オーツー)センサーは、エンジンとマフラーの付け根付近に配置されていて、故障すると排気ガス汚れがひどくなったり燃費の悪化する原因になります。
O2(オーツー)センサーの故障は、エンジン警告灯が点灯する時の原因として多く見られる症状です。
O2(オーツー)センサーに不具合があった場合は、新しいものと交換になります。
一度センサーに不具合があると、異常信号がエンジンコントロールユニットに送られている状態なので、センサーの交換後は専用の機器で異常信号の履歴を消去しないとエンジン警告灯は消えない仕組みになっています。
エアフローメーターの故障
エアフローメーターは、エンジンに吸入する空気の絶対量をエンジンコントロールユニットに伝えるためのセンサーです。
吸入する空気の量に合った燃料噴射量を算出するので、エアフローメーターに不具合が起きた場合は、運転への影響がとても大きい。
車の加速が鈍くなったり、エンジンのパワー不足になったりするので、正常な走行ができなくなる恐れがあります。
エアフローメーターの故障事例は多いため、エンジン警告灯が点灯・点滅する原因として考えられる要素です。
エンジンコントロールユニット(ECU)の不具合
エンジンコントロールユニット(ECU)は、エンジン制御システムの心臓とも言える最も重要な部品です。
ここに不具合が起こった場合は、当然ですがエンジン警告灯が点灯または点滅する原因になります。
ただし、エンジンコントロールユニット自体が故障するということは希なことで、多くの場合はセンサーとの接続部分で接触不良が起きていることが多い。
また、エンジンコントロールユニットと各センサーを繋ぐ部分が断線してしまうことで、エンジン警告灯が点灯することもあります。
自動車のエンジン警告灯が点灯もしくは点滅する原因については今回の記事で紹介した内容以外にも様々なことが考えられます。
エンジン警告灯が点灯したら、早めに整備工場などで点検・修理を行う必要があります。
車の修理の値段は、整備工場によって大きく違うことがあります。
いつも利用している整備工場が、実は高い値段で修理していたというケースも少なくありません。
そのため、複数の整備工場を比較検討することをお勧めします。
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