電気自動車(EV車)は暖房が効かないというわけはないのですが、冬場に車内全体を暖めるためには多くの電力を消費します。その結果、航続距離が減少することが、電気自動車が寒さに弱いと言われる理由です。暖房が効かない時は、何らかの故障が原因になっていることもあるので、まずは電気自動車の暖房の仕組みについて確認していきましょう。
電気自動車の暖房が効かない時は?
ガソリン車は、エンジンで温められたラジエター液の熱を利用して、車内に温風を供給していますが、電気自動車にはエンジンのような熱源がないので、暖房の仕組みが異なります。
電気自動車の暖房の仕組みは、「PTCヒーター」と「ヒートポンプ」の2種類があり、これらを併用している車種もあります。
PTCヒーターは、一定温度以上にならないように自己制御できる電気ストーブのようなものです。PTCヒーターは空気を暖めるタイプのものと、水を温めて温風を発生するタイプのものがあります。
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ヒートポンプは、電動式の空気ポンプで、冷媒を加圧、圧縮して熱を発生し、車内に温風を供給しています。減圧すれば冷房にもなるので、冷暖房兼用の家庭用エアコンと同じ仕組みです。
いずれの暖房システムも、電気によって作動しているので、電気自動車の暖房が効かない時は、断線やヒューズ切れなどの電装系トラブルが原因になっている可能性が考えられます。高電圧のPTCヒーターは、肝心のキャビンヒーター自体が故障することもあります。
電気自動車が寒さに弱い理由とは?
電気自動車だからといって、冬に暖房が効かないというわけではありません。むしろ、ガソリン車はエンジンが温まるまでに時間がかかるので、電気自動車の方が早く温風が出ます。
しかし、電気自動車は、電気を動力源として熱を発生しているので、暖房を使う冬場はバッテリーの減りが早くなります。その結果、冬期の航続距離は15~30%程度減少してしまうことが、電気自動車が寒さに弱いと言われる理由です。
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電気自動車でもバッテリーの消費を気にしなければ、設定温度を高くして温めることができますが、消費電力を抑えながら車内全体を暖めることは難しいです。そのため、シートやステアリング付近に暖房を設けて、運転者をピンポイントで暖める機能が搭載された車種もあります。
電気自動車ほどではありませんが、ガソリン車も冬場は燃費が悪くなります。ガソリン車の暖房はエンジンの熱を利用しているので、暖房による燃費悪化の影響はほぼないのですが、冬場はエンジンが温まるまでに時間がかかり、多くの燃料を消費するのでガソリンの減りが早くなります。
オートヒーターファン
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