自動車のエンジンの肝となる部品が点火の役割を担っている「スパークプラグ」です。
スパークプラグに不具合が起こると、エンジン出力低下や燃費の悪化など様々な症状があらわれるようになります。
消耗したスパークプラグを交換することで、本来のエンジン性能を取り戻す効果が期待できます。
今回の記事では、スパークプラグの交換時期や費用の目安などを紹介します。
スパークプラグとは
スパークプラグとは、エンジンの燃焼室内に吸い込まれた混合気(空気と燃料が混ざり合ったもの)に点火するための装置ことを言います。
エンジンの仕組みは、【混合気の吸入】⇒【混合気の圧縮・点火】⇒【爆発・膨張】⇒【燃焼ガスの排気】を繰り返しています。
燃焼室内に吸入された混合気は一度圧縮され後に、スパークプラグによって点火されます。
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点火された混合気は爆発を起こし、急激に膨張することでピストンを動かし、動力を生み出しています。
燃料が燃えると水や燃えカスなどができるため、その後は燃焼ガスの排気を行います。
スパークプラグは、混合気にタイミングよく点火することで、1分間に数千回転という回転力へと変換させる効果を生み出します。
重要なことは、一度混合気が圧縮された適切なタイミングで点火することです。
長年交換せずに機能が低下したスパークプラグでは、正確に点火できずに、エンジンの振動が酷くなったり、エンジンのパワー不足を感じたり、燃費が悪くなるなどの症状があらわれます。
スパークプラグの交換による効果
スパークプラグを長期間交換しないと、電極部分に不具合が起こり、本来の自動車の性能を発揮できなくなります。
スパークプラグは消耗品なので、定期的に交換して正常なエンジンの状態を保つことが大切です。
スパークプラグの交換は、エンジントラブルを避ける効果だけでなく、エンジン不調による二次的故障を予防する効果もあります。
それでは、古くなったスパークプラグは、どのような不具合が起こるのかを確認していきましょう。
スパークプラグの不具合の症状
電極の消耗
スパークプラグの電極部分の角がなくなり丸くなってくると、点火するための火花が飛びにくくなります。
そのため、エンジンがかかりにくくなったり、走行中にタイミングよく点火できずに、本来のエンジン性能を発揮できなくなります。
燃えカスによる漏電
スパークプラグの発火部分に燃えカス(カーボン)がたまると、その付着した燃えカスを伝って漏電してしまうため、失火する原因になります。
適切なタイミングで点火できないため、エンジン出力が低下するので加速が鈍くなったり、燃費が悪くなるなどの症状があらわれます。
プレイグニッション
プレイグニッションとは、スパークプラグが点火する前に、予期せぬタイミングで自己着火する現象のことを言います。
古くなったスパークプラグの電極部分に燃えカスがたまると、内部の過剰な熱により異常燃焼を起こることがあります。
すると、ピストンの動きが不安定になるため、エンジン本来の性能を発揮できなくなります。
スパークプラグの電極に付着した燃えカスが異常燃焼することで、電極部分の溶解を招き、さらに失火しやすくなります。
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長い間スパークプラグを交換しないと・・・
長期間、スパークプラグを交換しないと、車に様々な悪影響を及ぼします。
定期的にスパークプラグを交換することで、次のような内容のトラブルを回避する効果があります。
エンジン出力低下
スパークプラグの消耗により、失火状態が発生すると、本来のエンジン性能を発揮することができません。
車の走行中に加速が鈍くなるといった症状が見られ、以前よりパワー不足を感じるようになります。
スパークプラグの交換で、正常なエンジン出力を取り戻す効果が期待できます。
エンジンがかかりにくくなる
スパークプラグによる点火が正常に行われていない場合は、エンジン始動が困難になります。
スパークプラグで点火するためには、2万~3万Vの高電圧が必要です。
特にスパークプラグに付着した燃えカスが原因で漏電している場合は、十分な電気を確保できずに失火を繰り返すようになります。
スパークプラグの不具合が原因でエンジンがかかりにくい場合は、スパークプラグの交換で解決できることもあります。
燃費の悪化
スパークプラグの消耗により失火を繰り返すことで、不完全燃焼が続くとエンジン出力が低下します。
そのため、過剰に燃料を必要するため、燃費が悪くなる原因になります。
燃料の減りが早いと感じた場合は、スパークプラグの定期的な点検を行い、状況に応じて交換することをおすすめします。
異常な振動
スパークプラグの失火や異常燃焼により、適切なタイミングで点火できていないと、エンジンに異常な振動が起こるようになります。
過度に振動する症状は、周辺の部品の破損を招く可能性もあるので注意が必要です。
スパークプラグの失火が原因で車両の振動も大きくなるので、スパークプラグの交換は振動を軽減する効果が期待できる場合があります。
排気系の損傷
スパークプラグの不具合により不完全燃焼が続くと、排気系センサーや触媒などの損傷を引き起こす恐れがあります。
エンジンの燃焼室内では、混合気の爆発の後に燃焼ガスの排気を行っています。
不完全燃焼状態では、排気系に大きな負担がかかるため、各部品の損傷を招く可能性があるのです。
スパークプラグの定期的な点検と交換は、このような故障を予防する効果もあるのです。
全てに当てはまるわけではありませんが、「エンジン出力低下」「エンジン始動困難」「燃費の悪化」などの症状は、スパークプラグの交換時期を知らせるものかもしれません。
エンジン不調を感じたら、早めに整備工場などで点検を行い、必要に応じてスパークプラグを交換することをお勧めします。
自動車に発生する振動の原因については、様々なことが考えられますが、その原因がエンジンか足回りのどちらかに関係していることが多い。
走行中に普段感じたことのないような振動が生じる場合は、エンジンもしくは足回りに何らかのトラブルが発生している可能性があります。
停車中のアイドリング時に車体がガタガタ揺れる場合は、エンジントラブルが生じている場合が多い…
スパークプラグは消耗品
新車に組み込まれたイリジウムタイプのスパークプラグや白金タイプのスパークプラグなどは、とても寿命が長く交換不要だと誤解されていることが少なくありませんが、スパークプラグは消耗品です。
車の走行距離や状況に応じてスパークプラグの交換が必要です。
そもそもスパークプラグは、非常に苛酷な状況で働いています。
エンジンの燃焼室に冷たい混合気が入り込んできたと思ったら、爆発後は2000℃以上の高温になります。
これらが交互に繰り返される過酷な環境の中で、スパークプラグの点火部分は働いているのです。
また、繰り返される爆発によって、5Mpa(kgf/㎠)の圧力がかかります。これは150㎏の重りが繰り返し乗るくらいの圧力になります。
さらに、スパークプラグは2万~3万Vの高電圧で火花を飛ばしているので、繰り返し点火することで大きな負担がかかります。
このようにスパークプラグは、苛酷な条件下で働いているため、定期的な交換が必要になります。
スパークプラグの交換時期の目安
一般的なスパークプラグの交換時期の目安は、普通車が走行距離2万kmで、軽自動車が走行距離1万㎞ですが、使用しているスパークプラグの種類によって交換時期の目安は大きく変わります。
スパークプラグの種類は大きく分けて2つあります。
1つ目は中心電極のみに白金またはイリジウム合金を採用した「片貴金属プラグ」で、2つ目は中心電極だけではなく外側電極の放電部分にも白金を採用してる「両貴金属プラグ」です。
両貴金属プラグは、外側電極に白金チップが付いているので、放電部分の消耗が少ないのが特徴です。
片貴金属プラグの交換時期の目安
普通自動車・・・走行距離2万㎞
軽自動車・・・走行距離1万㎞
両貴金属プラグの交換時期の目安
普通自動車・・・走行距離10万㎞
軽自動車・・・走行距離5万㎞
スパークプラグの交換費用の目安
スパークプラグの交換費用は、交換するスパークプラグの種類やエンジン構造によって異なります。
スパークプラグ自体の部品代は、1個500~1,000円ほどです。
工賃は3,000~8,000円ほどで、大きな差があります。
スパークプラグを新しいものに交換するだけなので、それほど作業時間はかからないはずなのですが、4気筒や6気筒などエンジンの構造によって異なる傾向があります。
たとえば、800円のスパークプラグを3個交換した場合の交換費用の目安は、部品代2,400円 + 工賃5,000円で7,400円ほどになります。
ただし、簡単に交換できるような車種であれば、作業時間があまりかからないので工賃無しでやってくれる良心的な整備工場もあります。
その場合のスパークプラグ3個の交換費用の目安は、部品代のみで2,400円になります。
ただし、エンジンの構造上、作業時間がかかって工賃が高くなってしまう場合もあります。
車の修理の値段は、整備工場によって大きく違うことがあります。
いつも利用している整備工場が、実は高い値段で修理していたというケースも少なくありません。
そのため、複数の整備工場を比較検討することをお勧めします。
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