EV車にトランスミッション(変速機)は必要なのか?

これまでEV車(電気自動車)には、トランスミッション(変速機)は必要ないとされてきましたが、近年、トランスミッションを搭載したEV車の開発が進められています。これにはどうのような理由があるのでしょうか?今回は、EV車のトランスミッションの必要性について、自動車に詳しくない方でも分かるように簡単な言葉で解説していきます。

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トランスミッション(変速機)とは

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トランスミッションを簡単に説明すると、車のギアチェンジの仕組みのことです。

トランスミッションとは、大きさの異なる歯車を入れ替えることで、エンジンからの動力を、回す力(トルク)や回転数、回転方向を変えて車輪へと伝える装置のことです。

車が発進する時には回す力(トルク)を必要とし、スピードが速くなってきたら、回転数を増やすことを必要とします。高速走行になるにつれて、1速、2速とギアチェンジしていく、この仕組みがトランスミッションです。

従来のガソリン車には、トランスミッションが搭載されていますが、これまで量産されてきたEV車(電気自動車)のほとんどは、トランスミッションが車両に組み込まれていません。

次では、EV車にトランスミッションが搭載されていない理由や、本当にトランスミッションが必要ないのか?について、簡単に分かりやすく解説していきます。

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EV車にトランスミッションは必要なのか?

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ガソリン車のエンジンは、特定の回転速度の時に最大トルクに達し、それ以外ではトルクが落ちてしまいます。しかし、車は発進時に大きな駆動力を必要とし、スピードが速くなると、少ない駆動力でも速度を落とさずに走ることができます。

エンジンの回転速度とトルクの性質と、車に求められる駆動力の性質の違いを埋め合わせて快適な走行を実現するために、ガソリン車にはトランスミッションが必要です。

一方、EV車の電気モーターは、アクセルを踏めばすぐに最大トルクを引き出すことができるので、発進用のギアを必要としません。発進後そのままモーターの回転数を上げていけば速度も上がっていくので、トランスミッションが必要ないとされています。

ところが、近年、トランスミッションを搭載したEV車の開発が進められています。トランスミッションを搭載するとは言っても、ガソリン車のように5段変速、6段変速というものではなく、EV車に搭載されるトランスミッションは2段変速くらいのシンプルなものです。

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EV車の電気モーターは、回転数が高くなるほど「逆起電力(ぎゃくきでんりょく)」が高くなるというデメリットがあります。逆起電力とは、コイルに電流を流した時に回転を妨げる方向に発生する電力のことです。ですから、逆起電力が発生すると回転効率が悪くなってしまうのです。

そのため、電気モーターの回転数が低い状態でも、回す力(トルク)を大きくするために、トランスミッションが必要になってくるというわけです。

電気モーターの回転数が低い状態で走行できるのであれば、電気モーターが小さくても駆動できるようになります。

また、逆起電力を抑えることにより電費改善ができれば、バッテリー容量の縮小化が期待できます。EV車のバッテリーの原料であるリチウムやコバルトは、採掘量が限られているので、バッテリー容量の縮小化は、重要な課題でもあるのです。

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