「車を持っているけど、ほとんど乗らない」——そんな人が実は増えています。リモートワークの普及や生活スタイルの変化により、月に数回、近所のスーパーに行く程度という方も珍しくありません。
しかし、「乗らないから傷まない」というのは完全な誤解です。車は乗らないことでも確実に劣化します。むしろ、適度に走っている車より深刻なダメージを受ける部分もあるのです。
最大の敵はバッテリー上がり

乗らない車で最も多いトラブルがバッテリー上がりです。車はエンジンを切っていても、時計やセキュリティシステム、キーレスエントリーの待機などで常に微量の電力を消費しています。これを「暗電流」と呼び、一般的に20〜50mA程度です。わずかに思えますが、1ヶ月の放置で約1.4〜3.6Ahを消費します。軽自動車のバッテリー容量が28〜36Ah程度であることを考えると、全く乗らなければ1〜3ヶ月でバッテリーが上がるのは当然の計算です。
最も効果的な対策は、2週間に1回、30分以上走行することです。ただし、アイドリングだけでは発電機の回転数が低いため十分に充電されません。時速40〜60kmで実際に走ることが重要です。
それすら難しい場合は、トリクルチャージャー(維持充電器)の導入をおすすめします。バッテリーに微弱な電流を送り続けて満充電を維持する装置で、過充電防止機能付きならつなぎっぱなしでも問題ありません。価格は3,000〜8,000円程度で、バッテリー交換費用を考えれば十分に元が取れます。
Sponsored Links
エンジンオイルは「期間」で管理する
「距離を走っていないからオイル交換は不要」——これも危険な思い込みです。エンジンオイルは走らなくても時間の経過とともに酸化が進みます。さらに、短距離走行ではエンジンが十分に暖まらないため、内部に結露が発生し、水分がオイルに混入します。これがエンジン内部の錆や腐食の原因になるのです。
走行距離に関係なく、最低でも半年に1回はオイル交換を行いましょう。多くのメーカーが「6ヶ月または5,000kmの早い方」を推奨しています。月5kmの方は半年で30kmですから、距離は全く達しませんが、期間の方で確実に交換時期を迎えます。
また、長期間エンジンをかけないとシリンダー壁面からオイルが落ちきり、金属が露出して錆びます。最悪の場合、ピストンリングが固着する恐れもあるため、2週間に1回は必ずエンジンをかけ、水温計が正常値に達するまで暖機してください。
Sponsored Links
見落としがちなタイヤ・ブレーキ・ガソリンの劣化
同じ位置で長期間停車すると、タイヤの接地面が平らに変形する「フラットスポット」が発生します。走り出した際に振動や異音が出る原因です。2週間に1回、少しでも車を動かして接地面を変えるだけで防げます。空気圧もやや高め(指定値の+10%程度)に保つと効果的です。
ブレーキローターも放置すると表面が錆びます。数日程度なら走行中にパッドが削り取ってくれますが、数週間以上放置すると深い錆になり交換が必要になることもあります。定期的に走行してブレーキを使うことが最善の予防策です。なお、長期保管時はサイドブレーキを引かないでください。パッドがローターに貼り付く「固着」が起きるため、代わりに輪止めを使いましょう。
ガソリンも3〜6ヶ月で酸化が進み、始動不良の原因になります。タンクをなるべく満タンに保つことで、空気に触れる面積を減らし、結露も防げます。
まとめ
月5km以下しか乗らない車に必要なのは、「放置」ではなく「積極的な維持管理」です。2週間に1回30分以上走行すること、バッテリーにはトリクルチャージャーを導入すること、オイル交換は距離ではなく半年という期間で管理すること。この3つを守るだけで、車のコンディションは劇的に変わります。
乗る頻度が少ないからこそ、「乗る日」をカレンダーに入れてルーティン化するのがおすすめです。買い物や用事と組み合わせれば、負担なく続けられるはずです。
残り少ないバッテリーの電気を増幅させてエンジン起動させる次世代エンジンスターター
Sponsored Links
おすすめの記事
車の前期と後期とは?マイナーチェンジとフルモデルチェンジの違いを解説!


